『汗』に関して改めて勉強する機会があったのですが、汗の成分を知れば知るほど、お肌にとって「非常に大切なもの」ということが分かりましたので、ここで共有させていただきます。
汗の構成
◆汗の成分
・水分:99~99.5%
・その他:1~0.5%
※pH:5.7~6.5の弱酸性
この1~0.5%の「その他」に含まれる成分がとても大切なので、ここを深掘りします。
◆その他の成分
・電解質(塩化ナトリウム、カリウムなど)
・重炭酸ナトリウム
・尿素(天然保湿因子)
・乳酸(天然保湿因子)
・抗菌ペプチド(抗菌作用)
・プロテアーゼ(タンパク質分解酵素)
ほか
まず、尿素や乳酸はお肌にもともと存在する「天然保湿因子」(NMF)の構成成分でもあり、お肌を保湿してくれる成分ですので、お肌の保湿力を高める上でも汗はとても大切です。
少し専門的な話
お肌には約20種類、数百億匹と言われる「皮膚常在菌」が存在し、この常在菌がバランス良く生息することで、お肌を守ってくれているのですが、「黄色ブドウ球菌」という悪玉菌が増えてしまうと、お肌は炎症を引き起こしたり、ニキビの原因菌のアクネ菌までも増殖させてしまうことが分かっています。
(黄色ブドウ球菌はアトピーの原因菌とも言われています)
実は、汗に含まれる「抗菌ペプチド」は黄色ブドウ球菌の繁殖を抑える働きがあります!
しっかりと汗をかくことで、黄色ブドウ球菌を抑えて、炎症やニキビを防いだりすることが出来るのです。
それだけではありません。
汗に含まれる「プロテアーゼ」(タンパク質分解酵素)にもすごい働きがあります。
古くなった角質(ケラチンタンパク)を分解することで、ターンオーバーを正常にしてくれます。
また、ダニなどの異物が分泌する「お肌に悪いもの」から守ってくれる働きもあります。
例えば、お肌に付着したダニはお肌の細胞同士の結合を切り離してしまうタンパク質を分泌します。
このことでお肌の結合が緩くなり、バリア機能が弱まってしまいます。
しかし、汗に含まれるプロテアーゼは、ダニが分泌するタンパク質を分解し、お肌のバリア機能を守る働きもあるのです!
汗には、
・保湿
・抗炎症
・バリア機能維持
といった非常に良い働きがあることがお分かりいただけたかと思います。
しかも、汗は「タダ」で手に入れることが出来ます!
何となく汗は嫌われがちかもしれませんが、適度な運動で汗を流して、美肌を手に入れましょう!