今回は、ついにグリセリンまで悪者に「仕立て上げられてしまった」というお話をさせて下さい。
最近、「グリセリンはニキビの原因になる」という噂話を耳にすることがあります。
特にSNS界隈で、そのような話題が上がり、これを真に受けてしまっている消費者がいます。
そして、困ったことに「グリセリンフリー」の化粧品を発売する会社も出てきております。
グリセリンはニキビの原因になるという、「根拠の全く無い噂話」をこれ以上拡散させないために、今回は正しいグリセリンの知識をお伝えさせていただきます。
※少し化学の難しい話になってしまいますが、是非とも最後までお読み下さい。
グリセリンの構造
グリセリンの化学式は、「C3H8O3」というものです。
(覚える必要は全くありません)
このグリセリンには、「OH」という「ヒドロキシル基」(水酸基)が3つくっついているという構造をしております。
ヒドロキシル基は「水分を引き寄せる」という特徴があるため、化学式の中にヒドロキシル基の数が多い成分は「保湿力が高くなる」という特性があります。
ですので、グリセリンだけではなくBG、DPGなど化粧品によく使われる水性の保湿成分にはヒドロキシル基がついているので、保湿力があるということです。
ちなみに、ヒドロキシル基がついている保湿成分を「ポリオール」と言います。
ここから本題です。
ポリオールには静菌作用もある
ヒドロキシル基がついているグリセリンやBGなどのポリオールには、保湿という働き以外に、「静菌」という菌の繁殖を防ぐ働きがあります!
よくある防腐剤フリーの化粧品は、防腐剤を抜く代わりにポリオールを入れることで、菌の繁殖を防いで化粧品が腐らないようにしています。
つまり、グリセリンには「菌の繁殖を防ぐ働き」もあるということです!!
ニキビはアクネ菌という菌が繁殖することで引き起こされる症状ですよね?
ということは・・・
グリセリンはニキビの原因になるどころか、ニキビの原因となるアクネ菌の繁殖を防ぐ働きがあるという事です!!
正しく化学を理解すれば、グリセリンがニキビの原因になるという話はありえない!ということがお分かりいただけたかと思います。
グリセリンは非常に安全性が高くて、保湿力が高く、菌の繁殖も防いでくれる成分です。
SNSなどの噂話に惑わされているお客様に是非ともお伝え下さい!