表皮では細胞を産み出してくれる基底層と、一番外側に位置してバリア機能の役割を担ってくれる角質層が注目されがちですが、実は有棘層と顆粒層にも非常に大切な働きがあります。
有棘層とは?
有棘層は表皮の中では最も厚く、有棘細胞が約10層重なって出来ています。
有棘層の表面は多くの細かい「棘(とげ)」のような形状になっていて、細胞同士が強く結合してます。
そして、この有棘層にはランゲルハンス細胞という樹状細胞が存在します。
ランゲルハンス細胞の働きは外部から侵入してきたウィルスや細菌、かび、放射線などの情報を脳に伝達するといったセンサーの役割です。
脳に異物の侵入が伝わると、免疫機能が出動してウイルスや細菌が体内に侵入するのを防ぎます。
ランゲルハンス細胞は最前線で、ウイルスや細菌などの異物から身を守るためにパトロールしているのです。
顆粒層とは?
顆粒層にはケラトヒアリン顆粒という小さなビーズのような顆粒が多く存在します。
このケラトヒアリン顆粒はガラス状の顆粒で、光を屈折させ反射させる性質がある事から、紫外線を遮断してくれる働きがあります。
それだけではなく、ケラトヒアリン顆粒は、顆粒層から角質層に変化する際に、角質層の重要な保湿成分である天然保湿因子(NMF)の材料にもなるのです!
つまり、ケラトヒアリン顆粒は紫外線から身を守る働きと、皮膚のバリア機能を強化してくれる働きがあるのです!
一見、地味な存在と思われる有棘層と顆粒層ですが、非常に重要な働きをしてくれているのですね!
その為にも、スキンケアを大切にしましょう!