今回はYouTubeチャンネルに届いた「視聴者の方からのご質問と回答」を、皆様にも共有させていただきます。
視聴者の方からのご質問
「化粧品のパッケージに書かれている『全成分』を見れば、同じ化粧品を作れますか?」
このご質問は何度かいただいた事があります。
確かに、化粧品の全成分は、
・全ての配合成分を記載する
・配合量の多い順番に記載する
・配合量が1%以下の成分は、それ以下は順不同
といったルールがありますので、全成分を見れば、配合成分は「全て」分かりますし、配合量も「おおよそ」は判断できます。
なので、同じ化粧品を作れると思われる方も多いと思います。
では実際にどうなのか?
同じ成分名でも全く違う
化粧品は成分名が同じでも、効果や働きは全然違うことが多々あります!
例えば、同じ「プラセンタエキス」という成分名を取っても、
・原料会社が違う
・抽出方法が違う
・由来が違う
・原料そのものの濃度が違う
のです!
※上記が違っても成分名は同じになるのです。
これはプラセンタエキスに限らず、コラーゲンやヒアルロン酸、ビタミンC、レチノール、幹細胞培養液、ナイアシンアミドなど、「どんな有効成分」でも同じ事が言えます。
なので、有効成分の効果を考えると、
・どの原料会社か?によって特徴は変わる
・どんな抽出方法か?によって効果が変わる
・由来によって効く、効かないがある
・濃度によって効果のスピードが変わる
という事です。
だから、全成分にプラセンタエキスと書いてあっても、「どの」プラセンタエキスを配合しているのか?まで知らないと同じ化粧品を作る事は出来ないのです。
また、化粧品の「骨格」を作る
・水性成分
・油性成分
・界面活性剤
とかでも、同じ成分名であっても、
・保湿力が異なる
・刺激があるorないものがある
・エモリエント力が異なる
・感触が異なる
・安定性が異なる
・香りが異なる
・色が異なる
etc
のです。
なので、これも成分名が同じでも、「どの」または「どこの」成分を使っているのか?まで知らないと同じ化粧品は作れません。
配合量が違えば、全く違う化粧品になる
先程挙げた
・配合量の多い順番に記載する。
・配合量が1%以下の成分は、それ以下は順不同
というルールを理解すれば、「ある程度」の配合量は分かりますが、あくまでも「ある程度」です。
化粧品の成分は、配合量が「0.1%」どころか、「0.01%」でも違えば、「全く違う化粧品」になるのです!
なので、配合量が「ある程度」分かったとしても、「全く同じ化粧品」を作るという事は、どんな優れた化粧品技術者でも不可能なのです!
(似た化粧品は作れますが)
化粧品は奇跡の産物
この様に化粧品は、全成分を見たからと言って同じものを作れる訳ではないのです!
今回お伝えしたかった事は、化粧品は様々な原料(何万種類)の組み合わせを、0.01%単位で微調整して作られるものなのです。
だから、ご自身に合う化粧品に出会えたら、それは「奇跡」と言えます!
奇跡的に出会えた化粧品は最後まで大切に使ってあげて下さい。
それが化粧品を作っている立場の者からのお願いです。