今回は、少し前から話題になっている韓国発の化粧品成分「シカ」(CICA)について解説いたします。
SNSなどでシカクリームで、
・ニキビが良くなった
・肌荒れが改善した
などの声が上がっているので、皆様のお客様や患者様からもシカについて聞かれることもあるかと思いますので、最後まで読んでみて下さい。
シカ(CICA)とは?
シカの正式名称は「ツボクサエキス」と言います。
(僕は最初は歯科だと思ってました😅)
ツボクサという草は日本でも道端などにも生えており、韓国では傷の治療などで使われていたそうです。
このツボクサから抽出した成分がシカと呼ばれています。
特にツボクサに元々含まれている「マデカッソシド」という成分に美容効果があると言われています。
シカの美容効果
シカクリームには、ニキビや肌荒れ改善といった効果が話題になっていますが、実際にはどうなのでしょう?
実は、人間で行った検証では、「バリア機能改善」効果が確認されています。
※残念ながらニキビ改善の効果は見当たりませんでした。
ツボクサエキスが2.5%、5%配合されたクリームを1日2回、4週間塗り続けた結果、2.5%と5%のどちらともにバリア機能と皮膚の水分量が優位に改善されたという内容です。
以上の検証結果から、シカクリームには美容効果があると言われています。
シカクリームの正しい情報
先程の検証結果では、2.5%と5%のツボクサエキスが配合されたクリームを使ったとお伝えしましたが、ここで大切なお話をします。
「実験で使用するクリーム」と「商品のクリーム」(化粧品になったクリーム)では、ツボクサエキスの「濃度が違う」のです!
ご存知の方も多いと思いますが、ツボクサエキスを含めた「植物エキス」は化粧品には1%以下しか配合されせん。
1%以下を少ないと思うか、多いと思うかは人それぞれかと思いますが、実際の化粧品には植物エキスは1%以下の配合量なのです。
なので、2.5%や5%が配合されたクリームの検証結果は、残念ながら化粧品の効果とはイコールにはならないです。
SNSなどでシカクリームに、
・効果があった
・効果を感じなかった
という180度違う声が上がっているのは上記の理由からなんです。
シカクリームは買わない方がいい?
今回の投稿内容はシカを否定している訳ではありません。
実際にシカクリームを使って、ニキビが良くなった、肌荒れが改善したという方もいらっしゃいますし、話題になっているにはちゃんと理由があります。
まず、ツボクサエキスに元々含まれている「マデカッソシド」は0.1%レベルで、
・日焼けの予防
・皮膚水分量の増加
・ハリ
といった効果があります。
そして、ニキビや肌荒れが改善した理由は、シカクリームにはツボクサエキスだけではなく、
・グリチルリチン酸2K
・アラントイン
といった、非常に有名な「抗炎症成分」が『一緒に配合されている』場合が多いのです。
グリチルリチン酸やアラントインによって、ニキビや肌荒れによる炎症が抑えられたことで、効果を感じたという訳です。
なので、お客様から
「シカ(CICA)ってどうなの?」
と聞かれた際には、
「抗炎症成分が一緒に配合されているシカクリームを選んだ方が良いですよ!」
とお伝えして下さい。
今回お伝えしたいことっ!
話題や流行になる成分は、実は一緒に配合されている成分の効果である場合がある!
という事でした。