TVコマーシャルやインスタなどでは、「モコモコの泡」ができる洗顔フォームや石鹸が何となく良い商品と思われています。
ただ、
本当に「泡立ちの良い洗顔料はお肌に良いのか?」を、科学的な視点からお伝えさせていただきます。
泡立ちの良い洗顔料の「作り方」
まず、洗顔フォームや石鹸を作る際には、「アニオン界面活性剤」という成分を配合します。
このアニオン界面活性剤には、
・汚れを落とす
・泡を作る
という2つの働きがあります。
そして、アニオン界面活性剤には、様々な種類(何百種類)の成分があるのですが、基本的に『汚れを落とす力が強い成分は、泡をつくる力も強い』という特徴があります。
※ここ大事です。
なので、皆様がお使いの洗顔フォームや石鹸で、「モコモコの泡」ができるもの(泡立ちが良いもの)は、「汚れを落とす力も強い」と思ってください!
洗浄力が強いと皮膚がアルカリ性になる
アニオン界面活性剤の中で、汚れを落とす力が強い(洗浄力が強い)ものは、泡立ちも良いとお伝えしましたが、これには「マイナス点」もあると覚えておいて下さい。
基本的に、洗浄力が強いアニオン界面活性剤が配合されている洗顔フォームや石鹸は、皮膚のpHをアルカリ性に傾けます。
※これはいつも言ってますよね?
皮膚のpHがアルカリ性に傾くと、
・乾燥する
・たるむ
・悪玉菌が繁殖する(炎症が起こる)
という残念なことになります。
なので、洗浄力が強いアイテム(泡立ちが良いアイテム)をお使いの場合は、「なるべく早く」洗い流して、皮膚のpHがアルカリ性に傾いている時間を短くしましょう!と何度もお伝えしております。
ターンオーバーも遅くなる
実は、皮膚がアルカリ性になるとターンオーバー(皮膚の生まれ変わり)周期も遅くなってしまうのです!
皮膚が弱酸性だと、ターンオーバーに関係する「カリクレイン」や「カテプシン」といった酵素がしっかりと働いてくれるのですが、アルカリ性だとこれらの酵素が働かなくなってしまい、結果としてターンオーバーが遅くなってしまうのです。
ターンオーバーが遅くなってしまうと、
・メラニン色素の停滞(シミ)
・角栓の形成(毛穴、ニキビ)
などになってしまいます。
まさか、洗顔がシミや毛穴、ニキビの原因になってしまうとは思わないですよね?
でも、皮膚のメカニズムを知ることで、洗顔が非常に大切なことがお分かりいただけると思います。
という訳で、
①泡立ちが良い洗顔料は洗浄力も強い
②洗浄力が強いと皮膚をアルカリ性にする
③皮膚がアルカリだと乾燥、たるみ、炎症になる
④さらにターンオーバーが遅くなる
⑤そのことで、シミ、毛穴、ニキビの原因になる
というのが、今回のまとめですので、泡立ちが良い洗顔料をお使いの方は、なるべく早く洗い流しましょう!
スキンケアで最も大切なのは、洗顔と言い続けている理由をお分かりいただけましたか?