「ニキビの人」にお勧めの化粧品は何ですか?
というご質問をたまにいただきます。
その様なご質問をされる方に、こちらから「どんな化粧品を使ってますか?」と聞くと、殺菌成分が入った化粧品を使われていることが多いです。
ニキビになる原因の1つは過剰な「アクネ菌」による炎症ですので、アクネ菌をやっつける目的で、殺菌成分が配合された化粧品を使っている、または勧められていると想像できます。
殺菌成分の注意点を知っておく
僕はニキビの人に殺菌成分が配合された化粧品はお勧めしません!
(あくまでも化粧品の話で、ニキビ治療での殺菌成分のことではありません)
何故なら、化粧品成分における殺菌成分は「アクネ菌」だけを殺菌する訳ではなく、他の「皮膚常在菌」も殺菌してしまうからです。
皮膚常在菌のおさらい!
皮膚にはもともと数百億個といわれる常在菌が存在します。
大別すると3種類の常在菌がいます。
① 表皮ブドウ球菌(善玉菌)
皮脂をエサにして保湿成分の「グリセリン」とお肌を弱酸性にしてくれる「脂肪酸」を作ってくれます。
表皮ブドウ球菌のお陰で、肌は保湿されて、さらに弱酸性になる事で引き締めや潤いを与えてくれます。
② アクネ菌(日和見菌)
ニキビの原因菌なので悪者のイメージがありますが、アクネ菌も皮脂をエサに脂肪酸を作ってくれたり、皮膚に付着する病原性の強い細菌の増殖を抑えてくれるといった良い働きをしてくれます。
問題なのは、悪玉菌が増えるとアクネ菌も増殖してニキビになってしまうことです。
③ 黄色ブドウ球菌(悪玉菌)
存在しているだけでは問題ありません。
皮膚のpHが「アルカリ性に傾くと増殖」して炎症を引き起こします。そしてアクネ菌も増やしてニキビの原因になります。
化粧品の殺菌成分をお勧めしない話に戻ります!
化粧品の殺菌成分は皮膚に良い働きをしてくれる表皮ブドウ球菌も殺菌してしまいます。
すると、表皮ブドウ球菌(善玉菌)が作ってくれる脂肪酸がなくなり、皮膚が「アルカリ性」に傾きます。
そのことで、黄色ブドウ球菌(悪玉菌)が増えてしまい、炎症を引き起こします。また悪玉菌が増えることで、アクネ菌も増殖してしまいニキビになってしまいます。
つまり化粧品の殺菌成分によって、アクネ菌も増えてしまうと考えます!
これが僕がニキビの人に殺菌成分が配合された化粧品をお勧めしない理由になります。
(あくまでも僕個人の意見です。)
では、どんな成分がお勧めなのか?
ニキビが出来ちゃった人は、まず炎症を抑える必要がありますので、
・ カンゾウ根エキス
・ グリチルリチン酸2K
・ アラントイン
などの抗炎症エキスが配合されたものをお勧めします。
あっ!もちろんプラセンタも!
この様に、間違えた化粧品選びで、症状がよくならないどころか、悪化してしまう事もあります。
そんな人を少しでも減らしていきたいという想いで、このコラムで情報発信を続けています。