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甘草

甘草とは

甘草(かんぞう)は、日本では漢方薬に配合されることの多い生薬の一つです。漢方薬においては、その抗炎症効果が期待されて使われていますが、他の有効成分ともよく調和する特徴があるため、国内で販売される漢方薬の約7割に甘草は使用されています。

甘草の有効成分は「グリチルリチン」という物質で、「甘い」というワードのとおり、砂糖の150倍の甘味を有します。

甘草にはどんな効果があるの?

甘草の主成分であるグリチルリチンには「抗炎症作用」があります。そのため、風邪を引いたときの「解熱作用」、ノドや全身の筋肉が痛いときの「鎮痛作用」、胃痙攣や胃痛に対しての「筋肉の緩和作用」が主な効果になります。

甘草は私たちの身近な成分

甘草が含まれるのは漢方薬だけではありません。みなさんが普段使用している、入浴剤や化粧品、シャンプーなどにも使用されていることも多いのです。気になる方は、商品の有効成分をご確認いただければ、肝臓エキス、グリチルリチン酸2Kなどの名称で表記されているのが確認できます。

また、甘草は食品にも配合されていることが多々あります。砂糖の150倍の甘味を活かし、味噌や醤油などの甘味料として添加されることも多いので、意外とみなさんの身近に存在する成分なのです。

摂り過ぎに注意!甘草の副作用とは?

抗炎症作用に期待できる甘草ですが、摂り過ぎには注意が必要です。具体的には、甘草として7.5mg、グリチルリチンとして300mgが1日の摂取上限とされています。これ以上の摂取は、かえって健康に害を及ぼす危険があるのです。

グリチルリチンは、ヒトの副腎という臓器から分泌される「アルドステロン」というホルモンと類似した成分です。そのため、グリチルリチンを過剰に摂取すると、「血圧上昇」「低カリウムによる手足のしびれ」「全身のむくみ」などを引き起こすことがあり、医学的には「偽性アルドステロン症」という疾患の原因になります。他にも、肝機能を悪化させる成分としても有名で、「薬剤性肝機能障害」の原因薬剤にも該当します。

甘草とリコリスの違いは?

日本では、伝統的に「ウラルカンゾウ」という種類の甘草から成分を抽出して、漢方薬に用いてきました。一方、欧米のリコリスキャンディなどに配合される「リコリス」は、「スペインカンゾウ」に由来する甘草成分を用いることが多い特徴があります。

現在では、「ウラルカンゾウ」も「スペインカンゾウ」も、日本薬局方が甘草として認可しているため、大きな違いはありません。「甘草成分の基原植物の一つがリコリス」が正しい解釈になります。