ノコギリヤシとは
ノコギリヤシは、アメリカ南東部原産のヤシ科の植物で、別名ソーパルメットといいます。
ノコギリのような葉をもつため、ノコギリヤシと呼ばれています。
前立腺肥大に関連する症状の緩和に効果があるといわれている成分です。
ノコギリヤシの効果について
多くの研究から、ノコギリヤシにはフィナステリドと呼ばれるホルモン薬と同じような効果をもつことがわかっています。
フィナステリドは、男性ホルモンである「テストステロン」を活性型男性ホルモンの「ジヒドロテストステロン」に変換させる「5-αリダクターゼ」と呼ばれる酵素の働きを抑制する効果があります。
ノコギリヤシにも5-αリダクターゼの働きを弱めて、過剰なジヒドロテストステロンの産生を抑制する効果があるので、以下のような効果が期待できます。
前立腺肥大症の予防、前立腺肥大による症状の緩和
前立腺肥大症は、テストステロンが前立腺内部でジヒドロテストステロンに変化することで、前立腺が肥大すると考えられています。
そのため、ノコギリヤシを摂取することで、5-αリダクターゼの作用を抑制して、ジヒドロテストステロンの産生を抑えることができるので、前立腺肥大症の予防や改善に効果が期待できます。
抜け毛の予防、育毛効果
AGA(男性型脱毛症)では、ジヒドロテストステロンが髪の毛根にある毛乳頭細胞の男性ホルモン受容体に取り込まれることで、毛母細胞の働きが抑制され、髪の成長サイクルが短縮してしまい、抜け毛や薄毛が起こります。
ノコギリヤシを摂取すると、5-αリダクターゼの働きを抑えて、ジヒドロテストステロンの発生も抑制できるので、抜け毛を予防し、育毛効果に役立つと考えられます。
ノコギリヤシの摂取について
ノコギリヤシの有効成分を含んだ食品はないので、サプリメントで摂取するのが効果的です。
1日に摂取目安量は、200~300mg程度と考えられています。
ノコギリヤシの副作用について
適量の経口摂取では安全性が確認されており、重篤な副作用の報告はありません。
軽度の副作用として、吐き気・嘔吐、便秘・下痢、腹痛などの胃腸症状やめまい、不眠、頭痛、血圧の上昇などが引き起こされる可能性があります。
ノコギリヤシの注意点について
ノコギリヤシには、男性ホルモンであるアンドロゲンを抑制する作用や女性ホルモンであるエストロゲンのような作用をもっているので、ホルモン療法(ピルの服用も含む)を受けている人や、妊娠中・授乳中の人は摂取してはいけません。
また、血液の粘度を下げる作用があると考えられているので、血液を固まりにくくする薬やサプリメントを摂取している人も注意が必要です。