納豆キナーゼとは
納豆キナーゼとは、納豆のネバネバに含まれるタンパク質を分解する酵素。
煮大豆を納豆に発酵させる過程でつくられる成分の1つです。
1925年、大学の教授によって発見され、納豆キナーゼの性質について報告されました。
その後さまざまな研究が続けられ、タンパク質を分解する酵素として1980年代に『納豆キナーゼ」と命名されています。
納豆キナーゼに期待できる効果について
納豆キナーゼは、血栓の主成分であるフィブリンを分解することが判明しています。
また、ケガをなどで破けた血管修復後の血栓を溶かすプラスミンやウロキナーゼの線溶酵素も活性化させて正常な血流にします。
つまり、脳梗塞や心筋梗塞などの血栓症を防ぐだけでなく、できてしまった血栓を分解する効果にも期待できます。
そのほか、血液をサラサラに流すので、エコノミー症候群の予防や血圧を下げる効果にも期待できるでしょう。
納豆キナーゼの副作用について
納豆キナーゼは納豆に由来する成分であるため、問題になる副作用は確認されていません。
血をサラサラにする作用から、出血時に止まらなくなるとの噂もあるものの実際にそのような報告はありません。
ただし、血液を固まりにくくする『ワルファリン』を服用中の人は、念のため主治医に相談してください。
臨床試験の結果では、納豆キナーゼとワルファリンの併用の安全性は確認済みです。
また過剰摂取した場合の検証もされ、こちらの安全性も確認されていますが、過剰に摂取しても効果が高まるわけではありません。
納豆キナーゼの摂取方法について
納豆キナーゼは納豆やサプリメントで摂取することができます。
納豆1パックに含まれる納豆キナーゼはおよそ1500FU含まれ、サプリメントでは2000~6000FUを超える商品もあります。
血栓予防目的で飲む場合は、血流が悪くなる夜に摂取すると効果的です。
また、飛行機に乗る前に飲んでおくとエコノミー症候群の予防にもなります。
摂取時の注意点として、納豆キナーゼは熱に弱い特性を持っています。
ホカホカのご飯に納豆をかけると納豆菌そのものの活性が失われるので、効果も半減します。
さらに、消費期限の過ぎた納豆やメーカーによって納豆キナーゼの含有量が少ない場合もあります。
しっかり摂取したい場合には、サプリメントで取る方が効率的と言えそうです。