僕は常々「日焼け止め」のことを「老化止め」と言っていますが、その理由を具体的にお伝えさせていただきます。
紫外線の弊害
言うまでもなく、日焼け止めは「紫外線」をカットするための化粧品アイテムですが、紫外線の弊害をおさらいします。
紫外線の波長は大きく、
・UV-B(波長が短い)
・UV-A(波長が長い)
の2パターンあります。
※UV-Cは地表まで届かないので、今回は省きます。
まず、UV-Bが皮膚にあたると、表皮内でエンドセリンなどの「情報伝達物質」が発生して、「メラノサイト」に紫外線を浴びたことを知らせます。
そして、メラノサイト内では、チロシンというアミノ酸とチロシナーゼという酵素が合わさって、「メラニン色素」が作られます。
その後、メラニン色素が「酸化」を受けて黒くなり、黒くなったメラニン色素は、まわりの細胞(ケラチノサイト)に注入されて、皮膚が黒くなります。(日焼け)
ターンオーバーが正常であれば、メラニン色素が排泄されて、皮膚は元の色に戻りますが、加齢などの影響でターンオーバー周期が伸びてしまうことで、メラニン色素が残ってしまうと「シミ」になります。
つまり、紫外線のUV-Bは「シミの原因」になります。
また、UV-Aは波長が長いので、表皮を通り越して、「真皮」にまで到達してしまい、真皮を構成しているコラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸を破壊してしまいます。
それだけではなく、真皮ではコラーゲンなどを分解してしまう「酵素」が作られてしまい、真皮の構造が分解されてしまいます。
そして、皮膚の重みを支えることが出来なくなり、シワになってしまいます。
以上のことから、紫外線は「シミ & シワ」の原因になります!
ここまでは一般的によく言われている話です。
もっとある紫外線の弊害
実は、紫外線は「ニキビ」や「毛穴」の原因でもあります。
ニキビの原因の1つは、皮脂分泌が「過剰」になることで、その皮脂をエサにする「アクネ菌」が繁殖して、炎症を起こしてしまうことです。
また、皮脂分泌が過剰になることで、「角栓」(角質と皮脂が混ざったもの)が作られやすくなってしまい、そのことで毛穴に角栓が詰まると、毛穴が目立ってしまいます。
この「皮脂分泌を過剰にしてしまう」のも紫外線なのです!
紫外線のUV-Bが、皮脂の元になる「皮脂腺細胞」にあたると、皮脂が過剰に作られてしまうのです。
これが紫外線は「ニキビ & 毛穴」の原因でもある理由です。
それだけではありません!
紫外線は体内に「活性酸素」を発生させてしまいます。
紫外線によって活性酸素が発生すると、細胞内の「DNA」が破壊されてしまい、細胞に異常がおこってしまいます。
なので、活性酸素は「生活習慣病」や「肌トラブル」の原因の80%を占めると言われています。
以上をまとめますと、紫外線は
・シミ
・シワ
・ニキビ
・毛穴
の原因だけではなく、
・生活習慣病
・細胞の異常
といった「老化現象」を引き起こしてしまいます。
紫外線の弊害をご理解いただけたかと思います。
「日焼け止め」という名前なので、日焼けだけを止めるものと勘違いされていますが、「日焼け止め」は、あらゆる肌トラブルや老化を止めるものなのです!
だから、僕は日焼け止めのことを「老化止め」と呼んでいます。
皆様、これから紫外線が強くなってきますので、必ず「老化止め」を使うようにして下さい。
そして、エステやクリニックに来られるお客様・患者様にもしっかりと「老化止め」をお勧めして下さい!