今回は化粧品業界の永遠のテーマである「化粧品はお肌に浸透するのか?」について、答えを出したいと思います!
結論を先に言いますと、化粧品は「一定の条件を満たせば」表皮や真皮にも浸透します!
具体的にご説明して参ります。
化粧品の「浸透」に関しては、
- 化粧品は、角質層までしか浸透ない。
- 化粧品は、角質層までしか浸透させてはいけない。
という意見が散見します。
何故、多くの方が角質層までしか浸透しないと思っているのでしょうか?
それは「法律」の影響が挙げられます。
化粧品に関する法律
化粧品に関係する法律として「医薬品医療機器等法」(薬機法)があります。
この法律では、化粧品の「広告表現」が定められており、化粧品の浸透は角質層までとなっています。
なので、広告を打つ際には、
- 角質層まで
- 角質層へ浸透
- 角質層のすみずみへ
などの表現しか出来ません。
以上の理由から、化粧品は角質層までしか浸透しないと思う人が多いのです。
(化粧品の法律に詳しい人ほど、そう思っています)
では、本当はどうなのでしょうか?
法律で定められているの「角質層まで」というのは、あくまでも「広告表現」についてです。
つまり、消費者に「言っても良い事」と、「言ってはいけない事」の線引きがされているものであって、「実際に浸透しているかどうか?」とは別問題なのです。
実際に浸透していても、広告表現では「角質層まで」という表現にしないといけないという事です。
化粧品成分では、「美白」や「シワ改善」などの効果を認められている成分はたくさんあります。
美白であれば、表皮の基底層にアプローチする必要がありますし、シワ改善であれば真皮にアプローチする必要があるので、本当は浸透しています。
でも法律で定められているので、あくまでも角質層までとなっています。
これが、化粧品は角質層までしか浸透しないと「思われている最大の理由」です!
もう少し深掘りします。
化粧品が「浸透」するための条件
お肌の表皮は上から、
- 角質層
- 顆粒層
- 有棘層
- 基底層
となっています。
角質層は角質細胞間脂質が存在しますので、「脂っぽい」性質をしています。
脂は水とは馴染まないので、角質層よりも奥に化粧品を浸透させるには、化粧品に「脂っぽい」性質を持たせる必要があります。
そうすれば角質層に馴染みやすくなり、浸透させることが出来ます。
そして、角質層を突破できれば、それより下の顆粒層や有棘層は「水っぽい」性質を持っており、比較的容易に浸透できます。
(角質層を突破することが大事です)
さらに化粧品成分の分子量(その成分の大きさの単位)も大切になってきます。
一般的に角質層を突破できる分子量は「1,000以下」と言われています。
という事は・・・
化粧品を浸透させるには
- 適度に脂っぽい性質を持たせる
- 分子量が1,000以下の成分をチョイスする
ことが重要です。
(分子量が分からない場合は、製造メーカーに確認してみて下さい)
まとめ
- 化粧品は角質層までしか浸透しないと言われている
- それはあくまでも広告表現であって実際には浸透しているものもある
- 浸透させるには、脂性の性質と分子量がポイント
になります。
ただし、何でもかんでも浸透すれば良いという訳ではありません。
浸透している成分の濃度が皮膚中で高くなると、それが刺激になって悪さをしてしまう場合もあるという点だけはご注意下さい。