夏になると、クリームが「ベタつく」から使いたくないとか、お肌がそんなに「乾燥していない」から使わないという方も多いと思います。
でも、実は「夏の方がクリームは必要」なのです!
今回は、「皮膚のメカニズム」からその理由をお伝えさせていただきます。
コーニファイドエンベロープとは?
皆様、『コーニファイドエンベロープ』という単語を聞いたことありますか?
これは、角質細胞の「周りを囲んでいる」お肌にとって非常に大切な物質です!
(角質細胞の1つ1つをコーティングしているイメージです)
このコーニファイドエンベロープは、ターンオーバーの過程で「成熟」していくという特徴があります。
「基底層」で新しく細胞が作られて、その次の「有棘層」ではまだコーニファイドエンベロープは「未熟」な状態で、さらに「顆粒層」でもまだ「成熟過程」で、角質層になるとようやく「成熟」するのが、コーニファイドエンベロープの特徴です。
※コーニファイドエンベロープの成長イメージ
基底層:誕生
有棘層:小学生
顆粒層:中学生
角質層:成人
そして、成熟したコーニファイドエンベロープが角質細胞をしっかりとコーティングしてくれることによって、
・皮膚内へのアレルギー物質などの侵入を防ぐ
・天然保湿因子(NMF)の流出を防ぐ
ことが出来ます。
つまり、皮膚の「バリア機能」を強化して、さらに「水分を保持」してくれるのが、コーニファイドエンベロープなのです!
ターンオーバー周期は早ければ良い訳ではない
ターンオーバーは「早い方が良いのか?」というと、実は早ければ良いという訳ではありません。
何故なら、ターンオーバーが早すぎると、コーニファイドエンベロープが「未熟なまま」角質層まで行ってしまうからです。
※小学生がいきなり成人式に出される感じ?
早すぎるターンオーバーによって、未熟なコーニファイドエンベロープが角質層に行ってしまうと、角質細胞のコーティングが薄くなってしまうため、
・皮膚内にアレルギー物質などが侵入しやすくなる
・天然保湿因子(NMF)が流出しやすくなる
ため、皮膚のバリア機能が弱まり、水分の保持力も低下してしまいます。
以上のことから、ターンオーバーは「早すぎてもダメ」で、「遅すぎてもダメ」ということが皮膚科学的に分かっています。
※ターンオーバーは何日が適正なのか?はここでは省略させて下さい。
※あくまで、早すぎも遅すぎもダメということを覚えておきましょう。
ターンオーバーを早めてしまう要因
では、ターンオーバーを過度に「早めて」しまう要因は何でしょうか?
それは、「紫外線」です!
紫外線がお肌にあたると、表皮の細胞が「過度」に作られてしまうのです。
何故なら、紫外線という刺激によって、その刺激から肌内部を守るために、表皮というバリアを「厚く」しようとするからです。
つまり、紫外線はターンオーバーを過度に早めてしまい、そのことでコーニファイドエンベロープが「未熟な状態」で角質層に行ってしまうのです。
そのことで、皮膚のバリア機能が弱まり、水分保持力も低下してしまいます。
では、どうすればコーニファイドエンベロープを素早く「成熟」させることができるのか?
夏に保湿クリームが必要な理由
実は「保湿クリーム」を塗ることで、コーニファイドエンベロープを「素早く成熟させる」ことが研究で分かっています!
なので、紫外線量が多くなる夏場こそ、保湿クリームをしっかりお勧めしましょう!!
夏だからこそ保湿クリームをしっかり使いましょう!!