今回は、「石鹸で落ちる日焼け止め」は、本当に石鹸で落ちるのか?を検証したいと思います。
石鹸で落ちる日焼け止めの処方
石鹸で落ちる日焼け止めは、クレンジングをしなくても落とせるように、「シリコン」や「炭化水素」といった汗や涙に強いタイプの「油性成分」の配合量が少なく処方されています。
どちらかというと、BG、DPG、エタノールなどの「水性成分」がメインの構成になっています。
※油性成分も微量は配合されています。
水性成分がメインなので、石鹸だけでも「落としやすい」というのが特徴です。
本当に石鹸だけで落ちるのか?
結論を先に言いますと、「石鹸の種類による」です。
(元も子もない回答ですみません・・・。)
石鹸には「アニオン(陰イオン)界面活性剤」という界面活性剤が配合されています。
※どんな石鹸でも必ず界面活性剤が配合されています。
そして石鹸に使われるアニオン界面活性剤は、「洗浄力が強い」という特徴がありますので、水性成分がメインの日焼け止めであれば、十分に落とすことは可能です。
では、何で「石鹸の種類による」のか?
ここで言う種類とは、
・固形石鹸なのか?
・洗顔フォーム(半固形)なのか?
・泡で出てくるタイプなのか?
のことを言います。
固形石鹸と洗顔フォームであれば、石鹸で落ちる日焼け止めを落とすことは可能ですが、「泡で出てくるタイプ」だと、非常に落としにくいです!
なので、「種類による」という回答をさせていただきました。
何故、泡で出てくるタイプだと、石鹸で落ちる日焼け止めを落とせないのか?
界面活性剤の働きを知る
石鹸に配合されているアニオン界面活性剤には、
・泡を作る
・汚れを落とす(日焼け止めという汚れ)
という主な働きがあります。
実は、この2つの働きには、「どちらか片方の働きが強まれば、反対の働きが弱まる」という相関関係があるのです!
具体的には、
・泡を多く作れば、洗浄力が弱まる
・泡をあまり作らなければ、洗浄力が強まる
というものです。
このアニオン界面活性剤の特徴を知ることで答えが見えてきます。
泡で出てくるタイプの石鹸だと、「勝手に」泡がたくさん作られますので、その分洗浄力が弱くなってしまうため、日焼け止めという汚れを落とすことが出来なくなってしまうのです。
以上のことから、石鹸で落ちる日焼け止めと言っても、泡で出てくるタイプではちゃんと落とすことは出来ません。
石鹸で落ちる日焼け止めを落とす方法
泡を作る、汚れを落とすという働きには相関関係があることを考えると、日焼け止めを落とすためには、石鹸や洗顔フォームを「あまり泡立てない」ことが大切だとお分かりいただけると思います。
しっかりと泡立ててしまうと、その分洗浄力が弱くなってしまいますので、洗浄力を強くするためにも、石鹸や洗顔フォームはあまり泡立てない様にしましょう!
※あくまでも石鹸だけで日焼け止めを落とす場合です。
※クレンジング後に洗顔する場合は、ちゃんと泡立てましょう。
最近は、子供や男性でも日焼け止めを塗る習慣が広がってきたので、「石鹸で落ちる日焼け止め」というアイテムが多く見られる様になりましたが、「どんな石鹸を使っているのか?」、「泡立て方はどうなのか?」によって日焼け止めがちゃんと落ちないこともあります。
是非、今回の内容をお子さんや男性にも届けていただければと思います!