今回は、化粧品の人気成分「レチノール」(ビタミンA)の真実をお話ししたいと思います。
レチノールとは
ここ数年で非常に有名になった成分ですが、元々多くの研究データがあり、効果は確かなものです。
具体的には、
・ターンオーバーを促進する
・ヒアルロン酸の産生を促進する
・過剰な皮脂分泌を抑える
・真皮成分の分解酵素を抑える
などの効果があります。
このレチノールを皮膚に塗ると、皮膚の中で下記のように変化していきます。
レチノール
↓
レチナール
↓
レチノイン酸(トレチノイン)
そして、レチノイン酸が皮膚細胞に存在する「レチノイン酸受容体」というものと「合体」することで、上記の様々な効果を発揮します。
レチノールは朝に塗ってはダメ?
SNSやネット上では、レチノールは「朝に使ってはダメ」という投稿をよく目にすますが、実際にどうなのでしょうか?
結論を先に言いますと、朝に使っても「全然大丈夫」です!
(むしろ使った方が良いです)
では、何でこの様な「間違った投稿」があるのでしょうか?
実はレチノールは化粧品成分の中でも非常に「安定性が悪い」という特徴があります。
紫外線や温度(高温)に影響を受けやすく、すぐに色が変わったり、分解されたりしてしまうのです。
なので、朝にレチノールを塗ってしまうと、日中の紫外線によって、安定性が悪くなってしまいます。
この事実が拡大解釈されて、「レチノールは朝に使ったらダメ」という情報になったと思います。
ここから正しい情報をお伝えします。
レチノールは安定性が悪い成分だから、塗った後は必ず「日焼け止め」を使いましょう!
そうすることで、お肌にレチノールの効果を与えながら、紫外線によるレチノールの変色や分解を防ぐことが出来ます。
もし、お客様からレチノールの使用方法についてのご質問があった場合には、このようにお伝え下さい。
レチノールとビタミンCの相性
レチノールとビタミンCを「一緒に使ったらダメ」という投稿も目にしますが、これも完全に間違えた情報です。
一緒に使ったらダメどころか、一緒に使った方が良く、お互いの効果を高めてくれます。
是非、レチノールとビタミンCは一緒に使って下さい!
最後に、これだけはお伝えさせて下さい。
化粧品で、「〇〇という成分と●●という成分は一緒に使ったらダメ」という成分はありません!
なので、SNSやネット上にある「組み合わせNG」などの情報は完全に無視していただいて大丈夫です!