先日開催した化粧品セミナーで、「ビタミンC誘導体」の話に興味を示される方が多かったので、活字に残しておこうと思い、今回投稿させていただきます。
ビタミンC誘導体とは?
ビタミンCの正式名称は「アスコルビン酸」と言います。
アスコルビン酸には、
- 抗酸化作用
- コラーゲン合成作用
- 還元(シミを薄くする)作用
- 過剰な皮脂分泌抑制作用
- 抗炎症作用
などがあり、化粧品成分の中では「特に優秀」です!
実際にイオン導入などの施術や、ホームケアでビタミンC配合の化粧品をお勧めしているサロン様、クリニック様も多いと思います。
でも、こんな優秀なビタミンCにも「弱点」があります。
それは・・・
◇ビタミンCは非常に安定性が悪く、すぐに酸化してしまう・・・。
◇ビタミンCはお肌に塗るだけでは、浸透しない・・・。
この2つの弱点を克服するために作られたのが、ビタミンC誘導体です!
ビタミンCに「誘導体」というものを「くっつける」ことで、ビタミンCが酸化しにくくなり、そしてお肌に浸透させることが可能になりました!
ビタミンCにくっついた誘導体は、お肌にある「酵素」によって外されて、ビタミンC単体でお肌にアプローチしてくれるという仕組みです。
そして・・・
ビタミンCにくっつける「誘導体の種類」によって、お肌に対しての「効果」や、「アプローチする場所」、効果の「スピード」が全く変わってくるのです。
具体的な成分名を挙げて解説していきます。
※ビタミンCの正式名はアスコルビン酸とお伝えしました。
なので、成分名に「アスコルビン酸」や「アスコルビル」と付いているのがビタミンC誘導体になります。
代表的なビタミンC誘導体の種類と特徴
①リン酸アスコルビルMg
ビタミンCにリン酸という誘導体をくっつけたものです。
リン酸を外す酵素は、お肌にたくさん存在しますので、すぐに効果を発揮してくれます。
ですので、「即効型」ビタミンと呼ばれます。
②アスコルビルグルコシド
ビタミンCにグルコースという誘導体をくっつけたものです。
グルコースを外す酵素は、お肌に少ないので、誘導体が外れるのに時間がかかります。
ですので、「持続型」ビタミンと呼ばれます。
③テトラヘキシルデカン酸アスコルビル
ビタミンCにテトラヘキシルデカン酸という「油系」の誘導体をくっつけたものです。
お肌の角質層は油の性質をしていますので、角質層に早く馴染み浸透しやすいという特徴があります。
④パルミチン酸アスコルビルリン酸3Na
ビタミンCにパルミチン酸という「油系」の誘導体をくっつけて、さらにリン酸(水系)もくっつけたものです。
お肌の角質層より下の顆粒層や有棘層は水の性質をもっていますので、角質に早く馴染みながらも、顆粒層や有棘層にもなじみます。
ですので、「浸透型」ビタミンと呼ばれます。
これらはあくまでも代表的なビタミンC誘導体になります。
※ビタミンC誘導体は、約70種類ありますので、全て解説できなくてすみません。
ここでお伝えしたかったのは、ビタミンCに「どのタイプ」の誘導体をくっつけるのか?によって、効果やアプローチする場所は全く変わってくるということです!
是非とも、確認してみて下さい!